積分は数学の基礎概念の一つであり、物理や工学、経済学など幅広い分野で活用されています。
本記事では、積分の基本的な概念と計算方法を初心者向けにわかりやすく解説します。読み終えたときには、簡単な不定積分を手計算で行うことができることを目標にしています。
積分の基本をおさえることで、コンピュータによる数値計算への理解へと繋がっていくため、必ず押さえておきたい分野です。
キーワード
- 積分の基本
- 不定積分の基本公式
目標
積分の基本を理解し、簡単な不定積分を手計算で求めることができる。
積分とは
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積分は微分と対になる計算です。つまり、微分の逆が積分です。
積分には主に不定積分と定積分があり、この記事では不定積分という種類を学習します。
不定積分
微分すると\(f(x)\)になる関数\(F(x)\)を\(f(x)\)の不定積分といいます。
また、\(f(x)\)の不定積分を\(\int{f(x)}\, dx\)と表します。
この\(F(x)\)を\(f(x)\)の原始関数といいます。
例えば、\(f(x)=x^2\)の原始関数の1つは\(\frac{1}{3}x^3\)です。\(\frac{1}{3}x^3\)を微分すると\(f(x)\)に戻ります。
不定積分の計算方法
次は、不定積分の計算方法について説明します。この記事で積分する関数は高校数学IIで学習するような関数です。対数関数や指数関数などの関数は扱いません。
不定積分の公式
$$\int x^n dx = \frac{1}{n+1}x^{n+1} + C$$
ただし、\(C\)は積分定数
\(f(x)=x^2\)の原始関数を考えます。\(\frac{1}{3}x^3\)は原始関数になりますが、\(\frac{1}{3}x^3+1\)も原始関数になり得ます。
\(x\)の関数に定数を加えた関数全部が\(f(x)\)の原始関数になることから、この定数を\(C\)と書き、積分定数と呼びます。
不定積分を求めるときは、必ず積分定数\(C\)を書かなくてはいけません。
不定積分の公式が成り立つことを確認したいときは、右辺の関数を微分してみてください。\(f(x)\)に戻るはずです。
例題
$\int 3x^2\, dx$を求めなさい。ただし、積分定数を\(C\)とする。
不定積分の公式に代入して求めてみましょう。
\(n=2\)であることから、
\begin{eqnarray}
\int 3x^2\, dx &= &3\times\frac{1}{2+1}x^{2+1}+C \\
&= &x^3+C
\end{eqnarray}
と求まります。
不定積分の練習問題
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練習問題を通して、さらに理解を深めていきましょう。
練習問題
以下の不定積分を求めなさい。
(1) \(\int x^5\, dx\)
(2) \(\int \frac{1}{2}x^2\, dx\)
(3) \(\int\frac{2}{3}x^3\, dx\)
前述した不定積分の公式に代入して求めてみましょう。
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解答
(1)不定積分の公式に当てはめてみましょう。
\begin{eqnarray}
\int x^5\, dx &= &\frac{1}{5+1}x^{5+1} + C \\
&= &\frac{1}{6}x^6 + C
\end{eqnarray}
(2)係数に気をつけながら計算しましょう。
\begin{eqnarray}
\int \frac{1}{2}x^2\, dx &= &\frac{1}{2}\cdot \frac{1}{2+1} x^{2+1} + C \\
&= &\frac{1}{6}x^3 + C
\end{eqnarray}
(3)(2)
と同様に計算しましょう。
\begin{eqnarray}
\int \frac{2}{3}x^3\, dx &= &\frac{2}{3}\cdot \frac{1}{3+1}x^{3+1} + C \\
&= &\frac{1}{6}x^4 + C
\end{eqnarray}
積分定数\(C\)を忘れないように気をつけましょう。
まとめ
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今回は不定積分について学習しました。
不定積分は微分したら\(f(x)\)となるような関数を求める計算です。不定積分の際は、積分定数をつけ忘れないように気をつけましょう。
次は、定積分について学習します。定積分はある範囲での面積を求めることができます。
不定積分・定積分を学んで、コンピュータによる数値計算へと繋げていきましょう。
最後までご覧いただきありがとうございます。お疲れ様でした。
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